「待つ」という戦い

野球に全く興味のない私ですが、イチロー選手だけは別格。プレー自体はまったく見ないのですが、何故だかインタビューや会見だけはついつい見てしまい、いつも「へぇ~」だの、「ほぉ~」だのと感心しています。

今回はヤンキースからマリーンズへの移籍。今回の会見でも、「応援宜しくとはいいません」と全開のイチロー節で私達を楽しませてくれましたが、イチロー選手の会見と言えば、何と言ってもマリナーズからヤンキースに移籍した際のものが非常に印象深く心に残っています。

野球ファンの方にはおなじみかと思いますが、クールでプライベートを明かさないイチロー選手が、奥様への感謝の言葉を会見で述べたのです。

「僕はそういうこと今まで・・・(言葉が途切れる)強く意識したことはなかったけど、ここ何年か200本を続けてきた10年区切りで、彼女のほっとした表情は僕よりもっと、大きなものを抱えていたんだなという印象を抱いた。昨年(ヤンキース移籍前)、記録が途絶えた時、彼女は残念だったと思うけど、彼女は前向きに捉えてくれた。

お互いに自然に察し合っている関係。人が人を支えるということは、こういうことなんだなと弓子から学んだ。そんな彼女の覚悟は、僕にとって当然一番大切なものになる。」

奥様への信頼や愛情、感謝の言葉を簡単な言葉で、いや、難しい言葉を使わないからこそ誠実に思いを伝えることができるイチロー選手の素晴らしさを感じるとともに、私が印象的だったのは、奥様も戦っていたのだなぁという点。

プロスポーツ選手の奥様ですから、それはそれは大変な心労があると思ってはいたものの、それはグラウンドで戦うイチロー選手をして、「僕よりももっと大きな物を抱えていた」と言わせるほど過酷なものだとは思いもしませんでした。

当時者ではなく、関係者だからこそ、辛い事を「代わってあげたい」と思う程愛する家族だからこその辛さや戦いに奥様も立ち向かっていたのでしょう。

このような奥様の戦いの裏に垣間見える深い愛情も素敵なら、それに気付いたイチロー選手もやっぱり素敵!人間気持は見えませんが、生まれたばかり赤ちゃんのように、愛する人を素直に信頼出来るような綺麗な心を持っていたいと、マリーンズの移籍会見を行うイチロー選手を見て思いだしました。

思いが同じなら、例え自分が平和な場所に居たって一緒に戦っている。いや、もしかしたら戦っている本人よりも、それを待つ家族の方が辛いのではないだろうかと思います。

ミサイルや銃弾が飛び交う戦地に家族がいれば、平和な日本にいたって心の平静など保てない。代わってあげたい、でもそんなこと出来る訳もない。ただひたすらに無事を願い、祈り続ける家族の戦い、その心中はいかばかりか・・・・

先日遠い国で起こってしまった痛ましい事件。真実を伝えるという大義を称えることも、ご本人の勇気を称えるのもいいでしょう。しかし、その後ろで長き時を戦い、ご本人同様、いえ、もしからしたらそれ以上に傷ついているご家族の心に配慮した報道、情報発信、また手厚い保障をお願いしたいと心から思います。

 

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